やさぐれ天使は落ちこぼれ悪魔に甘すぎる
幸せな毎日が続くからこそ、不安になる。
緒世に飽きられたらどうしよう、と夜羽が言うと、仙仙がアドバイスをくれた。
「適度な刺激、ほどよいスパイスがあると、関係がマンネリにならなくて良いそうですよ」
ネットとかで、検索してみてはどうでしょうか、とも言われて早速、『脱マンネリ、刺激、円満のコツ』などで検索をしてみた。
その結果を踏まえて、行動してみたのだが。
「……寒く、ないのか?」
玄関に迎えに出た夜羽を見た途端、緒世はすべての表情を消して能面のような顔になった。失敗したかな、と思い、夜羽は内心でしょんぼりする。
「いえ……あの、寒くはないです」
ネットの検索結果に、エッチなコスチュームの画像がいくつも出てきた。なるほど、視覚的に刺激を与えるということか。納得し、ネットの通販サイトでエッチなコスプレセットを購入してみたのである。
商品名は『エッチで可愛い悪魔コスプレ』だった。
黒いレザー製のマイクロビキニと、悪魔の角の付いたカチューシャ。パンツには尖った悪魔の尻尾もついている。布面積が極端に少ないので、動くとはみ出しそうになるのが難点だ。
「そういや、仙仙は?」
靴を脱ぎながら尋ねる緒世の口調は普段のもので、少しも興奮した様子がない。自分がコスプレしたくらいでは、刺激にはならないのかもしれない。
「仙仙はあの、クーリンさんと泊りがけで」
「そういえば、ビールフェスタに行くとか言ってたな」
口調は平然としているが、動きがなぜかギクシャクしていた。鞄を取り落としたり、何でもない場所でつんのめったりしている。
休日出勤で疲れているのかもしれない。
「ごはんの支度はできていますが、先にお風呂になさいますか? それとも……」
緒世から、低いうめき声が聞こえた。苦悶の表情を浮かべ、前かがみになっている。
「くそ……こんなベタなセリフで……」
大丈夫ですか、と尋ねるより早く、夜羽は緒世に抱きかかえられていた。
そのまま寝室に運ばれ、緒世に美味しくいただかれたのだった。
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緒世に飽きられたらどうしよう、と夜羽が言うと、仙仙がアドバイスをくれた。
「適度な刺激、ほどよいスパイスがあると、関係がマンネリにならなくて良いそうですよ」
ネットとかで、検索してみてはどうでしょうか、とも言われて早速、『脱マンネリ、刺激、円満のコツ』などで検索をしてみた。
その結果を踏まえて、行動してみたのだが。
「……寒く、ないのか?」
玄関に迎えに出た夜羽を見た途端、緒世はすべての表情を消して能面のような顔になった。失敗したかな、と思い、夜羽は内心でしょんぼりする。
「いえ……あの、寒くはないです」
ネットの検索結果に、エッチなコスチュームの画像がいくつも出てきた。なるほど、視覚的に刺激を与えるということか。納得し、ネットの通販サイトでエッチなコスプレセットを購入してみたのである。
商品名は『エッチで可愛い悪魔コスプレ』だった。
黒いレザー製のマイクロビキニと、悪魔の角の付いたカチューシャ。パンツには尖った悪魔の尻尾もついている。布面積が極端に少ないので、動くとはみ出しそうになるのが難点だ。
「そういや、仙仙は?」
靴を脱ぎながら尋ねる緒世の口調は普段のもので、少しも興奮した様子がない。自分がコスプレしたくらいでは、刺激にはならないのかもしれない。
「仙仙はあの、クーリンさんと泊りがけで」
「そういえば、ビールフェスタに行くとか言ってたな」
口調は平然としているが、動きがなぜかギクシャクしていた。鞄を取り落としたり、何でもない場所でつんのめったりしている。
休日出勤で疲れているのかもしれない。
「ごはんの支度はできていますが、先にお風呂になさいますか? それとも……」
緒世から、低いうめき声が聞こえた。苦悶の表情を浮かべ、前かがみになっている。
「くそ……こんなベタなセリフで……」
大丈夫ですか、と尋ねるより早く、夜羽は緒世に抱きかかえられていた。
そのまま寝室に運ばれ、緒世に美味しくいただかれたのだった。