小説

復讐の枷〜それでもお前を愛してる〜

著者
矢城米花
イラスト
DUO BRAND.
発売日
2016年5月17日
価格
680円(税抜)
俺だけが、お前を泣かせる権利を持つ

なんて皮肉な再会だろうか。13年ぶりに日本へ帰ったアーサーのもとに派遣されたペットシッターは、恨みを抱くかつての同級生、衣川臨だった。アーサーは臨の弱みを楯に取り、匿名で復讐を始める。だが臨を暴漢に嬲らせていた時、妙な感情が渦巻いて…。 『見たい…もっと近くで。触りたい――貫きたい』 一方、ある理由により、快楽に従順な体を持つ臨は、怯えながらも陵辱を味わう自分に愕然としてしまい!?

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登場人物紹介

衣川臨(きぬがわりん)

アーサーへのいじめを扇動していた。ペットシッターとしてアーサー宅へ派遣される。

アーサー

幼いころ同級生からいじめを受けた過去をもつ。いじめを扇動していた臨に偶然再会し、復讐を決意するが…。

試し読み

「……ん、く……っ、ぅ……」
 食いしばった唇の間から、途切れ途切れの呻き声がこぼれている。眉根を寄せて喘ぐ表情は、屈辱のせいか、それとも望まない快感ゆえか。
 何本もの手が、衣川臨の細い体にからみつき、自由を奪っている。パーカーは肩から脱げ落ちそうになるほどはだけられ、Tシャツは乳首が覗くまでまくり上げられていた。下半身もきっと複数の手で嬲られているのだろうが、乗客の体が邪魔になって、ここからでは見えない。
 普段は血の気の薄い白い顔が、今は薔薇色に上気して、なんとも言えず艶めかしい。のけぞって喘ぐたびに、くせのない黒髪が揺れる。
 乗客の隙間から臨の様子を観察し、アーサー・ファーガソンはほくそ笑んだ。
(ざまみろ。どんな気分だ、一方的に服を脱がされて恥ずかしい目に遭うのは? 今度はお前が味わえ)
 臨が小学生の頃にいじめたクラスメートが日本に戻ってきて、こんな形で復讐しているなど、思いもしないだろう。しばらくは誰が犯人で動機がなんなのかわからないまま、悩んでもらおう。
 正体を明かすのは、当時自分が味わった屈辱に、利息を付けて返してからだ。
(それにしても男を痴漢したがる男が、こんなに大勢いるとはな)
 若い女の子ならともかく、男がターゲットでは『痴漢プレイの参加者募集』とネットに書き込んだところで、何人集まるかと疑っていた。実行直前の書き込みだったし、三、四人がせいぜいだろうと思っていたが、十人以上が加わっているようだ。隠し撮りした臨の画像を載せたのが効いたのか。
 痴漢達に取り囲まれて弄ばれる臨は、口を引き結び、必死に声を出すまいとしているようだ。だがしばしば快感に耐えきれなくなるのか、唇を半開きにして甘い喘ぎをこぼす。
「く……っ!」
 眉根を寄せて大きくのけぞったのは、誰かの手が乳首を強くつまんだせいか。
 臨が身をよじった。
 人垣を透かして、臨の下半身が見えた。
 デニムパンツのファスナーを全開にされ、紺色の下着が覗いている。誰かの手がその中へ入り込み、もぞもぞと動いている。肉茎をしごかれているのかも知れない。臨の唇が動いた。『いやだ』と言っているように見えた。

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